北米を中心とした不動産開発に投資

北米を中心とした不動産開発に投資

一方、ランドバンキングですが、これは海外の不動産に投資する投資商品です。不動産投資というと、不動産投資信託(RE−T)がまず浮かぶと思いますが、ランドバンキングは建物に投資するのではなく、将来、開発するための土地(原野)に投資します。

 

日本ではとかく悪名高い「原野商法」ですが、ランドバンキングの本場の北米では、投資対象として長い歴史と実績をもっています。北米のランドバンキングで有名なウォルトン社やTS−社の場合、対象となる土地はカナダ、米国が中心です。まずは、まったくの原野を、自己資金で買収。そこに住宅や病院、公共施設、道路といった街づくりのプランニング、開発許可の取得などを行なっていきます。そして、すべての段取りが整い、いよいよ具体的にその土地の開発に着手できるという段階になった時点で、買収した土地をデベロッパーに売却する、というケースが一般的です。

 

ランドバンキング会社はその土地の価値を高めるため、地方自治体の基準・規制・条例に合わせた開発許認可取得、地域内のインフラ概要の決定、分譲住宅区画や商業用地の開発プランニングを行ないます。その一方で買収した土地を個人投資家向けに商品化しIユニットー万米ドル、1万カナダドルで販売します。これが個人投資家からみたランドバンキングへの投資となります。

 

そして、保有している土地の開発許認可を取得し、開発可能となった土地と自社で作成したプランニングをセットにして、デベロッパーなどに売却した段階で、個人投資家の投資リターンが確定します。そのとき、土地の買収価格に比べて、売却時の価格が上回っていれば、ランドバンキングの保有者は利益配分を受けることができるという仕組みです。仕組みとしてはとてもシンプルでわかりやすい投資だといえます。

 

元が原野ですから、一連のプランニングで付加価値をつけることによって、大幅に値上がりするケースが多く、ランドバンキングの過去の運用実績(配当実績)を見ていくと、概ね元本割れもせず、比較的高いリターンが上がっています。とくに米国やカナダは、移民政策を積極的に導入しており、先進国のなかでは珍しい人口増加国でもあります。人口が増えれば、経済は活性化し、住むところも必要になってきます。それだけに、ランドバンキングのような投資商品が成り立ちやすい状況にあるという点で、日本の不動産事情とは異なるようです。

 

なお、ランドバンキングは先ほど解説したファンドのような積立投資はできません。また、案件によって異なりますが、短いものでも5年くらいは、運用成績もわかりません。というのも、土地をデベロッパーに売却して初めて、その資産価値の値上がり分が判明するからです。また、、土地の所有権は公的に保証されますが、あくまで全体のプランと合わせて価値を有するものですから、万が一、開発会社が倒産したりした場合には、実質的には無価値になってしまうリスクがあります。したがって、こうした不確定要素を嫌う人は、ランドバンキングの投資には向かないでしょう。

 

なお、積立ファンドは基本的に米ドル建て、ランドバンキングはカナダドル建てと米ドル建てが中心になりますので、日本から投資する場合は当然、為替リスクの影響を受けることになります。もし、為替差損を被っているような場合は、ひとまずHSBCの口座に移して時を待つというのがよいかもしれません.